ニンニク 病気

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ニンニクの病気

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病気にならないように水はけの良い、連作してない用土で育てます

 

 

ニンニクは病気にかかりにくく育てやすいのですが、
まったく病気にならないわけではありません。

 

ニンニクが病気にかかったときに、
ニンニクの病気の予備知識があるとより良い対応ができます。

 

ニンニクの病気の症状と対策について、わかりやすくご紹介していきます。

 

 

[ニンニクの病気]

 

 

■さび病

 

◎症状

葉の表面に、オレンジ色をした、
小さな斑点ができていたら、さび病です。

 

最初は斑点の数も少ないですが、
気付くのが遅れると葉全体に広がってしまいます。

 

オレンジ色の斑点の部分から胞子が飛び出し、
それが飛散して病気が広がっていきます。

 

そのため、病気にかかっている葉を放置していると、
どんどん近くのニンニクに感染してしまいます。

 

さび病は、窒素過剰の畑で発生しやすいです。
また、近隣のネギ畑から、伝染しやすいです。

 

◎対策
さび病の症状がまだ軽い状態の場合は、
症状の出ている葉を切り取って処分するだけで治まることもあります。

 

ただし、切り取った葉には病原菌がついていることになります。
そのまま近くに放っておくと、そこからまた感染してしまうので、
切り取った葉は必ず処分するようにします。

 

また、すでにたくさんの葉にさび病が感染してしまっている場合は、
切り取らずに薬剤を使うようにします。

 

アサツキ、ノビルも伝染源となるのでできるだけ抜き取ります。

ニンニクにとって葉はとても大切で、
葉数が極端に少なくなってしまうと、
球肥りが悪くなってしまったりします。

 

薬剤を使う場合は、アミスター20フレアブルや、
オンリーワンフロアブルなどが使えます。

 

 

■乾腐病(かんぷびょう)

 

◎症状

乾腐病は、葉先が枯れたようになった後、
だんだんととろけたように腐っていく症状が出る病気です。

 

土中の球も腐ったように変色してしまいます。
この病気の原因となる菌は、土中に10年以上も潜在し、

 

次に植えられるニンニクやネギ、ニラ、サトイモなどに、
感染してまた症状を引き起こします。

 

◎対策
乾腐病にかかっている株を見つけたら、
放置せずにその場で土ごと掘り上げて処分します。

 

使った道具(スコップなど)は、作業後に必ず消毒します。
消毒せずにまた別の株の手入れをすると、
感染することがあるので注意が必要です。

 

乾腐病は、水はけの悪い土で育てていたり、
連作をしているとかかる可能性が高くなるので、避けるようにします。

 

また、乾腐病の兆候が見られる種球を植え付けると、
そこからまた広がってしまうことになるため、
植え付ける前に選別して処分するようにします。

 

また、乾腐病にかかった株が植えてあった場所は、
一度消毒してから他の植物を植えるようにしましょう。

 

 

行者ニンニクも環境に繊細です
>>行者ニンニク 栽培

 

 

■春腐病(はるぐされびょう)

 

◎症状

春腐病の初期の頃は、葉に症状が出てきます。
水浸状の病斑が葉にあらわれ、
葉脈に沿ってしだいに上から下へと広がっていきます。

 

春腐病の症状が進むと、株元の軸の部分が腐ったように柔らかくなり、
葉が倒伏してしまうこともあります。

 

さらに症状が進むと、土中の球も腐ったようになってしまいます。
球が腐ったようになった後は、枯死してしまいます。

 

発病は越冬後に起きやすいですが、
マルチ栽培では越冬前に発生することもあります。

 

◎対策
春腐病の原因である菌は、ニンニクの傷から侵入して感染します。
特に寒さで傷んだところからの侵入が多いため、
12月以降の厳寒期には注意が必要です。

 

春腐病の菌は土の中に潜んでいて、雨が降った後などに、
急激に広がって感染株を増やします。

 

水はけの悪い土や、多肥での栽培、連作をしていると、
感染する可能性も高くなるので注意しましょう。

 

春腐病に感染したのを確認した場合は、腐敗株を抜き捨て、
専用の薬剤を使って防除するようにしましょう。
ナレート水和剤やバリダシン液剤などが使えます。

 

 

■葉枯病

 

◎症状
葉枯病は、最初に病斑ができ、その後その病斑が広がって、
だんだんと葉が枯れたようになっていきます。

 

最終的には葉が枯れてしまい、地上部がない状態になることもあります。
病斑の色は黒っぽいものや、白っぽいもの、淡い褐色などがあります。

 

形も様々ですが、最初は小さな点から始まることが多いです。
他にも染みのような病斑や、一目で病斑と分かる大きなものもあります。

 

どのような色の病斑であっても、
病斑の縁が黄色っぽくなることがほとんどです。

 

葉先から枯れたようになることが多いですが、
葉の途中からも色が抜けたようになり、全体に広がることもあります。

 

◎対策
葉枯病の原因となる菌はカビの仲間です。
暖かくて湿度の高い時期に感染することが多いため、
ニンニク栽培では越冬後、4月頃から葉枯病の感染が多くなります。

 

土が湿気ていると感染しやすくなるため、
水はけを良くしておくことが大切です。

 

地植えの場合は畝を高くし、
プランター栽培の場合は鉢底石を入れて水はけをよくします。

 

また、葉枯病の菌は土の中に潜在するため、
雨や水やりなどで土が跳ね返ったものが葉の裏に付着し、
そこから病気に感染することがあります。

 

跳ね返りを少なくするため、
植え付け前に黒マルチをしておくのはとても効果的です。

 

他にも、連作していたり、窒素が多い肥料を与えていると、
感染しやすくなるため注意が必要です。

 

葉枯病の発生が確認できた時、ごく初期の場合は、
患部を切り取って処分するだけで完治することがあります。

 

かなり広がっている場合は、やはり薬剤で防除するのが効果的です。
ダコニール1000やトリフミン水和剤などが使えます。

 

 

黒腐菌核病と思われるニンニク

 

 

■黒腐菌核病

 

◎症状
黒腐菌核病は、葉先の方から白っぽく変色していき、
症状が進むと株全体が枯れたようになって枯死してしまいます。

 

葉の変色は、丈夫よりも下葉から始まるのも特徴のひとつです。
地上部を引っ張ると、地下部分が腐ったように柔らかくなっていて、
ちぎれてしまうこともあります。

 

地際や地下の球に黒いゴマ粒状のものが付着し、症状が進んでいるものは、
これがかさぶたのように何層にも重なっていることがあります。

 

根の生育も悪くなるため、全体的に元気がなくなり、
生育スピードが通常よりも遅く感じられます。

 

◎対策
黒腐菌核病は、比較的気温の低い時期に発生することの多い病気です。
水はけの悪さと、土が酸性になっていることで、
感染する確率が高くなります。

 

できるだけ水はけのよい環境を作り、土は苦土石灰を混ぜるなどして、
酸度を調節しておくようにしましょう。

 

病原菌は土の中に長期間残るため、
以前に同じ病気が出た場所では発生が高くなります。

 

連作をするとさらに感染率が高くなるため注意しましょう。
連作をできるだけ避けるようにし、消毒してから栽培することです。

 

高い温度に弱い菌のため、発生した場所にビニールをかぶせ、
直射日光を当てて熱消毒するのも効果があります。

 

あるいはバスアミド微粒剤などの薬剤を使って、
土を消毒しておくようにしましょう。
黒腐菌核病に感染した株を見つけたら、できるだけ早く抜き取り処分します。

 

 

■紅色根腐病

 

◎症状
紅色根腐病は、地上部の葉や葉鞘部分が黄変し、
だんだんと元気がなくなってくる症状が出ます。

 

症状が出た株を抜いてみると、
根の中に赤いものが混じっていることがあります。

 

これが紅色根腐病である証拠です。

真っ先に症状が出るのが地下の根なので、
感染してすぐに発見することが難しい病気です。

 

病気が進むと、地上部の元気がなくなってきたり、
球の部分まで表面が赤くなり、球の中心がとけたようになります。

 

◎対策
紅色根腐病を初期に発見するのが難しい病気のため、
早期発見で対処できるものではありません。

 

感染の可能性が高い時期は、越冬を終えた春から収穫前の初夏頃までです。
ある程度ニンニクが育ってから感染することが多いので、
できるだけ株を残したくなりますが、
残念ながら感染後の完治が難しい病気です。

 

地上部の元気がない株を見つけ、他の病気や害虫の可能性がない場合は、
思い切って株を引き抜いてみましょう。

 

根や球の表面が赤くなっている症状が出ている場合は、
すぐに抜き取ったものを処分します。

 

連作や水はけの悪い土などが原因で起こることが多いため、
育てる環境はできるだけ整えるようにしましょう。

 

紅色根腐病などに、一度感染したことのある土には、菌が残っています。
バスアミド微粒剤などを使って、土壌を消毒してから、
植え付けを行うようにすると、感染率が下がります。

 

■参考

・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培



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タグ : 

ニンニク 病害虫 生理障害

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